グラブのお手入れとは?
ほとんどの野球用グラブ(グローブ)またはミットは牛の革で作られています。グラブは使用する過程で、捕球による革に擦り切れやグラウンドの土によって汚れが付きますが、グラブの革は生きているわけではないので、私たち人間の皮膚のように再生しません。
ゆえにグラブは一度傷んでしまうと元には戻らないのです。そこで大切なグラブを少しでも長く、良い状態で使うためにも人間が体を洗うのと同じように汚れを落として、さらに状態を保つために栄養を補給しなければなりません。
しかし、革製品であるグラブに水分は天敵。人間と同じようにシャワーを浴びてお風呂に入れる訳にはいきません。グラブにはグラブのお手入れ(メンテナンス)方法があるのです。
このページでは
・初めてグラブを買ったけど磨き方(お手入れの方法)がわからない
・今まで一度もグラブを磨いたことが無い
・正しいグラブの磨き方を知りたい
という方に向けてグラブの磨き方やグラブを磨くために必要なものを紹介します。
グラブ磨きを始める上で大事なことは、定期的にお手入れをすること・過保護になりすぎないことです。
グラブ磨きの工程
グラブ磨きは大きく分けて5つの工程があります。よく「グラブはどのくらいの頻度で磨けばいいのか」という質問がありますが、これは使用頻度や使用環境によって変わってきますし、また工程ごとに異なってきます。工程ごとに頻度の目安がありますが、あくまで目安として参考にしてみてください。大事なのはグラブの様子を見て判断することです。
1 ブラッシング
必要なもの:豚毛ブラシ
頻度:毎使用後
ブラッシングはグラブ磨きで最も重要な工程の1つです。
このブラッシングは、グラブに付着した土や砂埃などをブラシ使って落とす作業です。グラブの汚れを落とさずにオイルを塗ってしまうと土とオイルが混ざってそのままグラブに汚れとして蓄積されてしまいます。蓄積された汚れはグラブの革を劣化させる原因になるので、ブラッシングでしっかり土や砂埃を落としましょう。また、ブラッシングをすることで紐やウェブの間などに入り込んでしまった土も掻き出すことができます。
豚毛ブラシとは?
ブラシといっても様々な種類のブラシがありますが、このブラッシングの工程では豚毛ブラシを使うのがおススメです。馬毛や山羊毛のブラシと比較して毛先が硬く、簡単に汚れを落とすことができます。
老舗野球用品メーカーのローリングスからも、この豚毛ブラシは販売されているのでチェックしてみてください。
2 乾燥
必要なもの:乾燥材
頻度:毎使用後
グラブを使用していると、どうしても手汗でグラブの手入れ部(平裏部)が湿ってしまいます。また雨の日に使用したグラブは全体的に濡れてしまいます。こうした状態のグラブを放置しておくとグラブの型崩れ・カビの発生・革の劣化・重量増加の原因になってしまいます。
革製品に水分は天敵ですから、湿ってしまった場合はいち早くグラブを乾燥させる必要があります。食器乾燥機や布団乾燥機を使って乾燥させる方法もありますが、用意するのが大変ですので、乾燥材をグラブと一緒に置いて風通しの良い日陰で自然乾燥させましょう。
日向で直射日光に当てたり、ドライヤーで直接温風を吹きかけて強制的に乾燥させたりすると革を痛めるので控えましょう。
グラブ用乾燥材
ローリングスがグラブドライヤーというグラブ用の乾燥材を販売しています。これをグラブ手入れ部に差し込んでおけば早くグラブを自然乾燥させることができます。
3 汚れ落とし
必要なもの:レザーローションorレザークリーナー
頻度:汚れが気になる時
ブラッシングをしても落ちない汚れがある場合は汚れ落としを使用して汚れを落としましょう。このとき汚れ落としとして洗剤のような役割を果たすのがレザーローションもしくはレザークリーナーです。以下に2つの違いについて書いてあるので、自分に合うものを購入して使ってみましょう。
レザーローションの特徴
基本的な汚れはレザーローションで取ることができます。液体状で汚れ落としに加えてツヤ出し効果を含むものもあります。レザークリーナーよりも安価で手に入ります。
オススメはホワイトベアーのレザーローションです。
↓レザーローションの詳しい使い方は以下の記事を参考にしてみてください。
レザークリーナーの特徴
レザークリーナーは頑固な汚れを落とす際に有効です。もちろん、普段の汚れ落としとしても使用することができ、グラブのみならずエナメルバッグやスパイクの汚れ落としもできてしまうのが特徴です。竹ブラシや歯ブラシなどに付けて使用すると汚れが落ちやすいです。
オススメはローリングスの男前に磨きをかけるシリーズのスーパーメンテナンスクリーナーオイルです。
↓レザークリーナーの詳しい使い方は以下の記事を参考にしてみてください。
4 保革
必要なもの:保革オイル
頻度:毎日使用(週1回程度)、週1〜2回使用(1ヶ月に1回程度)
グラブは使用する度に革が擦り減ったり、傷付いたりします。また、グラブの革に含まれているオイル分が抜けていってしまいます。そこで必要なのが保革という作業です。保革オイルを塗ることでグラブが擦り減り、傷ついた部分を保護すると同時に革に栄養分を捕球します。このように定期的にオイルを塗ることでグラブを長持ちさせることができるのですが、塗りすぎは禁物です。保革オイルを塗りすぎは、グラブの型崩れや重量増加の原因となり、グラブの寿命を縮めることになってしまいます。グラブの様子を見て、乾燥していたり、擦り減っている部分に塗りましょう。
↓保革オイルの使い方はこちらの記事を参考にして見てください。
5 艶出し(ツヤ出し)
必要なもの:ツヤ出しオイル、馬毛ブラシ、ムートン
頻度:1ヶ月に1回程度
この艶出し作業は必ずしなければいけない訳ではありません。
見た目が良くなるのはもちろんですが、ツヤ出しをしっかりやっておくどグラブに汚れがつきにくくなったりするので、グラブのお手入れが好きな人はやっておくと良いでしょう。
↓詳しいやり方や必要なものに関しては以下の記事を参考にしてみてください。
まとめ
グラブのお手入れ用品はたくさんあって何を買ったらいいのかわからないということが多いですが、今回紹介したお手入れの工程やオススメのお手入れ用品を参考にして、グラブを磨いて見てください。きっとグラブを磨くことが楽しくなるでしょう。
グラブを磨くことでグラブに対して信頼感が生まれ、あなただけのエラーしないグラブ・ミットが完成することを願っています!